
「部下に仕事を振れない」「残業時間削減目標が達成できない」--働き方改革が盛り上がる中、会社の目標と現場の板挟みになる管理職が続出している。なぜ彼らは自分のワーク・ライフ・バランスを犠牲にするのか? どんなタイプが疲弊しやすいのか? ひそかに広がる「課長クライシス」とは。
部下に仕事を振れない上司が急増中
東京・京橋駅に近いオフィスビル。木曜日の午後8時、フロアの明かりが一斉に消えた。一心不乱にキーボードを叩いていた課長の吉澤浩さん(仮名、41歳)がふと顔を上げると、周囲の人影はすっかりまばらになっていた。
今日も若手の営業同行や会議に追われ、あっという間に1日が過ぎてしまった。来週に控えた社内プレゼンの資料はまだ仕上がっていない。本当なら部下に振りたかったが、1人は2児の母親で短時間勤務だし、もう1人は噂によると親の退院を控え、自宅療養の準備にてんてこまいらしい。隣の席でメールに返信している部下も早く帰さないといけない。
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