
「足、痛いんですね、かわいそうに……」--。
つぶやくような声の方を見ると、リウマチで変形した高齢女性の足をいとおしそうにさすりながら、足浴をしている若いホームヘルパーさんの姿がありました。
日の光が窓から差し込んでいて、ヘルパーさんの姿が逆光になり、シルエットが美しく浮かび上がっています。その姿に神々しさを感じました。
高齢女性は非常に要求の多い方で、家族も困っていたのですが、ヘルパーさんは彼女に本当に優しく接しており、キリスト教徒でもないのに、私の頭の中には自然に「マリア様みたいだ」という言葉が浮かんだほどでした。
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みその生活支援クリニック院長
おのざわ・しげる 1963年相模原市生まれ。90年東京慈恵会医科大学医学部卒業。在宅医療をライフワークにしようと、同年から亀田総合病院(千葉県鴨川市)に在籍し、99年同病院の地域医療支援部長に就任。22年間、同病院で在宅医療を中心に緩和医療や高齢者医療に携わってきた。2012年に北里大学病院患者支援センター部副部長を経て、13年に同トータルサポートセンター長に就任。同病院の入院患者に対して、退院から在宅医療へスムーズに移行できるよう支援してきた。16年相模原市内で在宅医療専門の「みその生活支援クリニック」を開設。亀田総合病院在宅医療部顧問。日本在宅医学会認定専門医。プライマリケア連合学会認定医、日本緩和医療学会暫定指導医。日本在宅医学会前理事。日本医療社会福祉協会理事。一般法人社団エンドライフケア協会理事。相模原町田医療介護圏インフラ整備コンソーシアム代表。
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