理由を探る認知症ケア

“その場しのぎ”の認知症ケアはもう古い

ペホス・認知症ケア・コミュニケーション講師
  • 文字
  • 印刷

 介護に限らず、仕事、子育て、人間関係は相手がある事柄です。思い通りにいくことばかりではありません。こちらが思いつく限りの方法で関わってみたけれど、それでも思い通りにいかなくて、「どうしたらいいの?」と誰かに解決方法を尋ねたくなるものです。

 わたしが講師を務める「認知症」の研修でも、参加された医療職や介護職の人から、「認知症」に伴って起きがちな言動への対処方法を尋ねられることがよくあります。

 「お風呂に入らないのですが、どうしたらいいですか?」「ご飯を食べたのに食べていないと言います。どうしたらいいですか?」「財布を盗(と)られたと言われるのですが、どうしたらいいですか?」といった質問です。

 あなたが友人から「わたしの職場に、すぐ怒る上司がいるんだけど、どうしたらいい?」と相談されたら、どうしますか? おそらく、「どんなことで怒るの?」と、まずは上司が怒りだす理由を尋ねるでしょう。

この記事は有料記事です。

残り1416文字(全文1812文字)

ペホス

認知症ケア・コミュニケーション講師

ペ・ホス(裵鎬洙) 1973年生まれ、兵庫県在住。大学卒業後、訪問入浴サービスを手がける民間会社に入社。その後、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、訪問看護、訪問リハビリ、通所リハビリ、訪問介護、介護老人保健施設などで相談業務に従事。コミュニケーショントレーニングネットワーク(CTN)にて、コーチングやコミュニケーションの各種トレーニングに参加し、かかわる人の内面の「あり方」が、“人”や“場”に与える影響の大きさを実感。それらの経験を元に現在、「認知症ケア・コミュニケーション講師」「認知症ケア・スーパーバイザー」として、介護に携わるさまざまな立場の人に、知識や技術だけでなく「あり方」の大切さの発見を促す研修やコーチングセッションを提供している。著書に「理由を探る認知症ケア 関わり方が180度変わる本」。介護福祉士、介護支援専門員、主任介護支援専門員。アプロクリエイト代表。