無難に生きる方法論

「娘ロス」の前に夫がやっておくべき“妻対策”

石蔵文信・大阪大学招へい教授
  • 文字
  • 印刷

 前回は、母親と同居する息子が、母親が亡くなった後にうつ状態になる「親ロス」についてお伝えした。今回は、娘がいなくなって起こる「娘ロス」と、夫婦の不和についてお話しする。就学、就職や結婚で娘が家を出ていったとき、熟年夫婦に起きやすい現象である。

 一昔前は、かわいい子供が就学や就職で実家を出ていったときに、母親がうつ状態になる「空の巣症候群」が有名だった。これは一種の燃え尽き症候群である。

 あまりにも子育てに力を入れすぎていたために、その対象がいなくなって一時的に目標を失い、生きる意欲がなくなってしまう現象である。子育てに力が入り過ぎる背景には、夫との関係がうまくいっていないこともある。娘ロスはこれとは少し違う。

この記事は有料記事です。

残り1117文字(全文1426文字)

石蔵文信

大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。