健康に暮らす眠りを知れば人生危うからず

眠りの質を下げない「夜のお酒」の飲み方

内村直尚 / 久留米大学教授

 よく眠れるようにと、就寝前にお酒を飲むことを「寝酒」と呼びます。日本を含む世界10カ国の3万5327人を対象に睡眠に関連する行動を調査した研究では、寝酒をする日本人の割合は30.3%でした。10カ国の平均が19.4%ですから、大きく上回ることが分かっています。日本人の「寝酒信仰」は強いようです。

 私たち睡眠の専門家は、口を酸っぱくして「アルコールの摂取は睡眠の質を下げる」と言ってきています。しかし、なかなか理解されていないようです。今回は、寝酒が睡眠の質を下げる理由をお話ししたいと思います。

この記事は有料記事です。

残り1814文字(全文2063文字)

内村直尚

内村直尚

久留米大学教授

うちむら・なおひさ 1982年、久留米大学卒業。86年に久留米大学大学院医学研究科修了(医学博士)後、87年5月~89年4月に米国Oregon Health Science Universityへ留学。帰国後、久留米大医学部神経精神医学講座の助手、講師、助教授を経て、2007年4月から同講座教授に就任した。11年4月~13年3月、久留米大学病院副病院長。12年4月から久留米大学高次脳疾患研究所長、13年4月から同大医学部長を務め、16年10月からは同大副学長も兼務する。国内トップレベルの睡眠医療チームを率いる睡眠研究の第一人者。著書(分担執筆)に「睡眠学」(朝倉書店)、「プライマリ・ケア医のための睡眠障害」(南山堂)など。

イチ押しコラム

無難に生きる方法論

便利家電と「女性のうつ」の深い関係

 女性のうつ病の初発症状には、「夕食の献立を思いつかない」が多い。特に専業主婦に起きやすいとされる。本人ではなく家族が気づいて受診…

医をめぐる情景

「失恋でうつ」の友人を励ますのはいけないこと?

 ◇楽曲「元気を出して」(1984年) 竹内まりやが作り、歌った「元気を出して」は、失恋して落ち込んだ女友だちを女性が励ます歌だ。…

人類史からひもとく糖質制限食

「正常範囲内の高血糖」でも全がんリスクが高まる

 国立がん研究センターがん予防・健診研究センター・予防研究グループが2015年、興味深い論文を発表しました。翌年には英文医学雑誌に…

旅と病の歴史地図
海外に出国する人たちでにぎわう出発ロビー=成田空港で2018年8月10日午前10時9分、小川昌宏撮影

旅先でつらい「旅行者下痢症」を薬で止めていい?

 海外旅行中に起こる下痢を「旅行者下痢症」と呼びます。発展途上国に1カ月間滞在すると半数近くの旅行者がかかるとされており、頻度が大…

超高齢化時代を生きるヒント

アルバイト医師が回す「在宅医療クリニック」の闇

 医学部5年生だった1989年の夏休み、私は実家近くにあるM先生のクリニックで1週間の実習をしていました。晴れて暑い水曜日の午後、…

Dr.林のこころと脳と病と健康

演技性パーソナリティー障害のうそが肥大する土壌

 ◇うそつきは病気か【5】 自分を実際よりよく見せるためにうそをつくのは、誰でもある程度までならすることです。ではそういう普通の人…

Dr.米井のアンチエイジング・セルフチェック チャートでわかる、あなたの機能年齢 北海道大学COI×医療プレミア