病気が逃げ出すサプリ指南

文学や歴史に見る「運命と食事の関係」

丁宗鐵・日本薬科大学学長
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 美しくなりたい、若く見られたい--。美容のためにサプリメントを使っている人も多いのではないでしょうか。サプリメントは健康維持のために栄養を補う食品ですが、摂取する側の期待は、美容にもつながっています。食べることで美しくなりたい、自分を変えたいと考える原点は、いったいどこからきているのか。文学や歴史の中にその背景やヒントがあるように、私には思えます。

 漢方には、目で体の状態を見る「望診」という伝統的な診察法があるのですが、「観相」も長い歴史があります。観相は人相見(にんそうみ)とも呼ばれ、その人の顔や容貌を見て、性格や運命などを判断するものです。日本の古典の中には、そんな場面が描かれています。

 源氏物語の第一帖桐壺では、幼少から聡明(そうめい)で美男子だった光源氏の将来を気にした帝(みかど)が、内密に高麗人の人相見に、観相に行かせます。素性などはなにも伝えず、光源氏の顔を見せると、人相見はたいそう驚き、「この子は国の帝王になる高貴な相をしている」と言い当てます。

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丁宗鐵

日本薬科大学学長

てい・むねてつ 1947年東京生まれ。医学博士。横浜市立大学医学部卒業。同大学大学院医学研究科修了。79年から81年まで米国スローン・ケタリングがん研究所に客員研究員として留学。日本東洋医学会漢方専門医・指導医。北里大学・東洋医学総合研究所研究部門長、東京大学大学院客員教授、東京女子医科大学特任教授を経て現在、日本薬科大学学長、百済診療所院長。近年の著書に「丁先生、漢方って、おもしろいです。」(朝日新聞出版)、「病気がイヤがる暮し方 江戸式健康心得」(春秋社)、「ガンが逃げ出す漢方力」(ヴィレッジブックス)など。