現代フランス健康事情

大きく変わるフランス人「酒とたばこの文化」

竹内真里・パリ在住ライター
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パリ市内のカフェ
パリ市内のカフェ

 すべてのフランス人にあてはまるわけではないが、やはり食事どきのワインはフランス的な風景だ。

 会社の誰かの誕生日や、退職が決まった人の送別会では、社内でミニパーティーを開いてワインやシャンパンを開けたり、仕事帰りに飲みに行ったりする。友人や家族親戚との食事の際は、食前酒、食後酒も加わる。家に招待されると、ご自慢の自家製食後酒を振る舞われることもある。お酒は社交の大切なツールだ。

 といっても、お酒にまつわる問題は他の国と変わらない。フランス厚生省によると、アルコールが原因もしくは関連しているとみられる病気で年間約4万9000人が亡くなっている。政府は「女性は1日にグラス2杯、男性は3杯のワインを日常的に摂取していると、咽頭(いんとう)、食道、結腸や直腸、肝臓の病気を誘発する」と、適量飲酒を呼び掛けている。他の先進国と同じく、アルコール依存もフランスで相当深刻な問題となっている。

 AFP通信は2月21日、「慢性的な大量飲酒、認知症との関連が明らかに」というニュースを配信した(http://www.afpbb.com/articles/-/3163384)。研究者がフランス国内の早期発症型認知症例5万7000件以上を調べた結果、半数以上がアルコール関連、またはアルコール乱用の診断が追加されたものだったという。

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竹内真里

パリ在住ライター

1978年千葉県生まれ。2000年から2002年までフランス南部マルセイユに滞在。その後、東京や香港でライターとして取材・執筆に従事。2015年に再びフランスへ。現在はパリ市内でフランス人の夫、娘と暮らしながら現地情報を発信している。