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DHAを摂取しても頭は良くならない?

工藤千秋・くどうちあき脳神経外科クリニック院長

 「頭が良くなる」とうたう食品やサプリメントがあります。代表例はドコサヘキサエン酸(DHA)を含んだものです。しかし、この話は本当でしょうか? 今回はこのDHAの効果についてお話ししたいと思います。

イヌイットの調査で注目を浴びる

 DHAは、アジ、イワシ、サバなどの青魚に多く含まれる脂肪酸です。

 DHAはオメガ3脂肪酸という種類で、人間の体内では作り出すことはできないため食品から摂取しなくてはなりません。しかし、その重要性が注目されるようになったのは、ここ半世紀以内のことです。

 最初にオメガ3脂肪酸が注目されたのは、デンマーク領グリーンランドの先住民族であるイヌイットに関する調査がきっかけでした。

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くどうちあき脳神経外科クリニック院長

くどう・ちあき 1958年長野県下諏訪町生まれ。英国バーミンガム大学、労働福祉事業団東京労災病院脳神経外科、鹿児島市立病院脳疾患救命救急センターなどで脳神経外科を学ぶ。89年、東京労災病院脳神経外科に勤務。同科副部長を務める。01年、東京都大田区に「くどうちあき脳神経外科クリニック」を開院。脳神経外科専門医であるとともに、認知症、高次脳機能障害、パーキンソン病、痛みの治療に情熱を傾け、心に迫る医療を施すことを信条とする。 漢方薬処方にも精通し、日本アロマセラピー学会認定医でもある。著書に「エビデンスに基づく認知症 補完療法へのアプローチ」(ぱーそん書房)、「サプリが命を躍動させるとき あきらめない!その頭痛とかくれ貧血」(文芸社)、「脳神経外科医が教える病気にならない神経クリーニング」(サンマーク出版)など。