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平均寿命と健康寿命に10年の大ギャップ

和田裕雄・順天堂大学准教授
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 今回は寿命についてのお話です。さて、突然ですが、問題です。「ここに、0歳の男の赤ちゃん、30歳の男性、60歳の男性がいます。最も寿命が長い可能性があるのは、誰でしょうか?」

 「新しい体を持っているのだから、0歳の赤ちゃん」と答えた人はけっこういると思います。でも、正解は60歳の男性なのです。その理由を説明していきましょう。

 「ある年齢の人が平均何歳まで生きるのか」を表す言葉が「平均余命」です。つまり、平均余命は全ての年齢でそれぞれ算出されています。そして、0歳の平均余命を「平均寿命」と言うのです。

 生まれた直後から乳児のころは、人の体はとても弱く、死亡するリスクは低くありません。0歳の平均余命は、0歳で亡くなる赤ちゃんも含められています。30歳の平均余命は30歳未満で亡くなった人は含まれていません。30歳まで生きた人は、0歳の赤ちゃんと比べれば体は丈夫ですから、平均余命は長くなります。60歳を超えて生きる人は、30歳まで生きた人よりも、もっと体は丈夫なわけです。

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和田裕雄

順天堂大学准教授

わだ・ひろお 1993年、東京大学医学部卒。東京大学医学部付属病院、東京大学医科学研究所、英国Imperial College London留学、杏林大学付属病院呼吸器内科学教室などで、特に閉塞性肺疾患、慢性呼吸不全などの呼吸器疾患に焦点を当てて診療・研究・教育に携わってきた。2014年より順天堂大学公衆衛生学講座准教授として、予防医学や産業医学の分野で地域や働く人たちの健康管理にも目を配っている。医学博士、内科学会専門医、呼吸器学会専門医、老年医学会専門医。