子どものころから、「時間が守れない」「忘れ物が多い」などの失敗を繰り返す場合、ADHDという発達障害が考えられます。ADHDによって、大人になってもさまざまな困難を抱えている人は少なくありません。ただし、適切な治療や日常生活の工夫で、生きづらさを改善することが可能です。
ADHDを正しく理解する
生まれつき、脳の働きの一部の偏りのために、子どものときから生活面でさまざまなつまずきを引き起こす場合、発達障害の存在が疑われます。Attention Deficit Hyperactivity Disorder(日本語では、「注意欠陥多動性障害<注意欠如多動症>」と呼ばれています)の頭文字を略したADHDも、その発達障害のひとつです。12歳より前から、不注意や多動性、衝動性が強く現れ、生活にさまざまな困難を来したときに診断されます。
ADHDの子どもには、「授業中に席を離れる」「会話に割り込む」「順番が待てない」「話しかけられても聞いていない」などといった特徴的な行動が見られます。ただし、これらの言動は、一般的には「わがまま」や「反抗的」などと理解され、親や先生から叱られてしまうことが少なくありません。
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