髪の健康相談室

髪が赤くなる病気、形が変わる原因は

齊藤典充・横浜労災病院皮膚科部長
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 黒髪、金髪、白髪……。そして、染めていないのに髪の色が赤い人がいます。「赤毛」で思い浮かぶ「赤毛のアン」の髪は、メラニン色素のバランスによるものでしょう。おそらく金髪に近い色だと思いますが、ある特殊な病気では、これとは異なる赤色になります。また、髪の毛の形も直毛、縮れ毛、くせ毛などいろいろな形状があります。髪の色や形は、どうして変わるのか。今回は、原因となる病気を取り上げてみましょう。

 髪の色が赤くなる特殊な病気とは、「フェニルケトン尿症」です。アミノ酸のフェニルアラニンをチロシンに変える酵素の先天的な欠損によって、血液中のフェニルアラニンが増える代謝異常です。フェニルアラニンは、体に不可欠な必須アミノ酸ですが、血液中に増えて過剰になると脳の発育や発達が障害されます。また、チロシンの不足によってメラニン色素の合成が抑制されるため、髪の色が赤くなるのです。治療としては、摂取量を制限する食事療法を続けて血液中の維持範囲を超えないようにすることで、精神神経症状を防ぐことができます。この病気は指定難病になっています。

 髪の毛の形は、いろいろな原因によって変わります。その特徴や形に関わる病気には、次のようなものがあります。

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齊藤典充

横浜労災病院皮膚科部長

さいとう・のりみつ 1993年北里大学卒業、同大学皮膚科に入局。98~2000年米国カリフォルニア大学サンディエゴ校留学。国立横浜病院(現:国立病院機構横浜医療センター)皮膚科、北里大学皮膚科助手、講師、国立病院機構横浜医療センター皮膚科部長などを経て14年4月から現職。専門は脱毛症、血管炎、血行障害。日本皮膚科学会の脱毛症に関する診療ガイドラインの作成に携わるなど、長年、診療の第一線で脱毛治療・研究の分野をリードしている。