時がたつのも早いもので、今年ももう6月です。北海道を除く全国の梅雨入りが発表されています。そして、梅雨が明けたら夏本番。みなさん、夏休みの予定は決まりましたか? 今回と次回のテーマはアウトドアです。まずはキャンプがもたらす体内時計への効果について考えてみたいと思います。

週末のキャンプは体内時計を早める効果

 研究はアメリカ、コロラド大学ボルダー校によるものです。実験は、被験者8人を募り、コロラド州のロッキー山脈にキャンプをしながら1週間滞在してもらい、睡眠や唾液中のメラトニンといった体内時計の生理指標を測定しました。メラトニンは、夜寝る前に分泌が始まり睡眠を誘導するホルモンで、その分泌開始時刻は脳の体内時計の時刻を表します。キャンプ前の普段の生活では、被験者のメラトニン分泌は午後10時ごろに始まっていました。しかし1週間のキャンプにより、メラトニン分泌は2時間早まり、午後8時ごろに始まるようになりました。この時刻はちょうど、現地の日の入りと同じ時刻でした。1週間のキャンプ生活で体内時計が2時間早まったことになります。一方、就寝時刻は1時間ほど前倒しになった程度でした。つまり、今回の結果はキャンプにより寝る時刻が早まったから体内時計が変化したというより、まず体内時計が進み、それを受けて睡眠も少し早まったという解釈です。

 次に研究者らは、同様の実験を1週間ではなく、週末のみ(金曜日から月曜日にかけての2泊)に行い、月曜…

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柴田重信

早稲田大学教授

しばた・しげのぶ 1953年生まれ。九州大学薬学部卒業、薬学研究科博士修了。九州大学助手・助教授、早稲田大学人間科学部教授などを経て、2003年より早稲田大学理工学術院教授。薬学博士。日本時間生物学会理事、時間栄養科学研究会代表。時間軸の健康科学によって健康寿命を延ばす研究に取り組む。専門は時間栄養学、時間運動学とその双方の相乗効果を健康に活かす商品・プログラム開発。田原助教との共著に「Q&Aですらすらわかる体内時計健康法-時間栄養学・時間運動学・時間睡眠学から解く健康-」(杏林書院)。

田原優

カリフォルニア大学ロサンゼルス校助教

たはら・ゆう 1985年生まれ。早稲田大学理工学部、同大学大学院先進理工学専攻卒業。博士(理学)。早稲田大学助手を経て、2015年より早稲田大学高等研究所助教、17年1月よりカリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部助教。07年より、柴田重信教授と共に、時間栄養学研究の確立に取り組んできた。また、発光イメージングによるマウス体内時計測定、ストレスによる体内時計調節などの成果も発表している。常にヒトへの応用を意識しながら、最先端の基礎研究を行っている。柴田教授との共著に「Q&Aですらすらわかる体内時計健康法-時間栄養学・時間運動学・時間睡眠学から解く健康-」(杏林書院)。