医療プレミア特集

認知症やがん治療で注目「漢方薬市場」10年で1.5倍

鈴木敬子・毎日新聞 医療プレミア編集部
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ツムラ茨城工場の敷地内にある漢方記念館。漢方の歴史や漢方製剤の製造工程などを学ぶことができる。2008年度にグッドデザイン賞を受賞。通常は医療関係者にしか公開されていない=2018年6月6日、鈴木敬子撮影
ツムラ茨城工場の敷地内にある漢方記念館。漢方の歴史や漢方製剤の製造工程などを学ぶことができる。2008年度にグッドデザイン賞を受賞。通常は医療関係者にしか公開されていない=2018年6月6日、鈴木敬子撮影

 医師の処方による「医療用漢方製剤」の市場が伸びている。2007年度におよそ1000億円だった市場規模は17年度には1500億円超に拡大した。医療用医薬品全体に占める割合は1.4%ほどだが、医師が漢方薬を積極的に使い始めたことの表れと言える。なぜ今、漢方薬が医療現場で多く使われるのか。理由を探ろうと、漢方最大手「ツムラ」(本社・東京都港区)の茨城工場(茨城県阿見町)を訪ねた。

 JR東京駅から電車で約1時間。周辺は新興住宅地として知られるJR常磐線のひたち野うしく駅に降り立ち、そこからさらに15分ほど車を走らせると、世界一の青銅製立像として知られる「牛久大仏」(高さ120m)が見えてくる。その足元に広がる東京ドーム3.8個分の広さの敷地の中に、ツムラ茨城工場と漢方記念館、生薬研究所がある。

 ツムラの主力事業は、医療機関で処方される医療用漢方製剤の製造だ。売り上げ95%以上を占める。エキス製剤(煎じ薬を濃縮エキスにし、さらに乾燥させて作る顆粒=かりゅう=状の薬)に軟膏(なんこう)1品目を含む全129品目を取り扱っている。このうち茨城工場は41品目の漢方製剤を作っている。

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鈴木敬子

毎日新聞 医療プレミア編集部

すずき・けいこ 1984年茨城県生まれ。法政大卒。2007年毎日新聞社入社。岐阜支局、水戸支局、横浜・川崎支局を経て、15年5月からデジタルメディア局。