旅と病の歴史地図

サッカーW杯 ロシアで観戦ならダニと麻疹に注意

濱田篤郎・東京医科大学教授
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サッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会で初戦のコロンビア戦に勝利し、喜び合う日本の選手たち=ロシア・サランスクで2018年6月19日、長谷川直亮撮影
サッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会で初戦のコロンビア戦に勝利し、喜び合う日本の選手たち=ロシア・サランスクで2018年6月19日、長谷川直亮撮影

 ロシアでサッカー・ワールドカップ(W杯)が開幕し、各地で熱戦が繰り広げられています。ロシアはユーラシア大陸にまたがる広大な国ですが、試合会場は国の西側に集中しており、ほぼヨーロッパに属する地域になっています。その一方で、この地域は13世紀から15世紀にかけてモンゴル帝国の支配下にあり、東西の文化が交差する場所でもありました。

 前回のW杯が行われたブラジルは南北に長い国で、試合会場は熱帯から温帯まで広い範囲に分布していました。このため、選手は気温差により体調不良を起こすことも多かったようです。前回の優勝国であるドイツも、決勝トーナメントの最中にインフルエンザがチーム内に蔓延(まんえん)しました。日本チームは全試合が熱帯気候の中で行われたため、体力を消耗し、試合後半に失点する場面が度々みられました。

 これに比べて、今回のロシア大会のほとんどの会場は、同じ亜寒帯気候に属するため、選手としては体調管理しやすい環境にあります。しかも、その気候は日本であれば北海道に近いもので、6~7月は比較的過ごしやすくなります。

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濱田篤郎

東京医科大学教授

はまだ・あつお 1981年、東京慈恵会医科大学卒業。84~86年に米国Case Western Reserve大学に留学し、熱帯感染症学と渡航医学を修得する。帰国後、東京慈恵会医科大学・熱帯医学教室講師を経て、2005年9月~10年3月は労働者健康福祉機構・海外勤務健康管理センター所長代理を務めた。10年7月から東京医科大学教授、東京医科大学病院渡航者医療センター部長に就任。海外勤務者や海外旅行者の診療にあたりながら、国や東京都などの感染症対策事業に携わる。11年8月~16年7月には日本渡航医学会理事長を務めた。著書に「旅と病の三千年史」(文春新書)、「世界一病気に狙われている日本人」(講談社+α新書)、「歴史を変えた旅と病」(講談社+α文庫)、「新疫病流行記」(バジリコ)、「海外健康生活Q&A」(経団連出版)など。19年3月まで「旅と病の歴史地図」を執筆した。