Dr.林のこころと脳と病と健康

虚言を放置した末に起こる惨劇

林公一・精神科医
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絵=画家・絵師 OZ-尾頭-山口佳祐(http://oz-te.com)
絵=画家・絵師 OZ-尾頭-山口佳祐(http://oz-te.com)

うそつきは病気か【3】

 限度を超えたうそつきが病気かどうかは難しい問題ですが、「放っておくと進行して大変なことになる」という点では、病気と同じ性質を持っています。同僚のうそに悩む女性(30代)のお話です。

SNSで“攻撃者”のうそ情報を流す同僚

 「会社の同僚の一人が大変苦手で悩んでいます。彼女はひとことで言うと『プライドとうその人』です。仕事は完全なマイペースで、ごくわずかな内容を自分で決めたやり方でしかやらず、誰かが『こういうのはどうでしょう?』と提案でもしようものなら、逆上して相手が折れるまで執拗(しつよう)に攻撃します。また、自分のメリットになることなら些細(ささい)なことでも平気で他人の手柄を奪います。そして自分で実際にやったことでもそうでないことでも、とにかく人から仕事内容を褒められることが最大の関心事のようです。自分を良く見せるため、そして批判されることを避けるためならうそをつくことに対しても罪悪感が全くないようで、たとえば仕事上で何かまずいことが起きると『○○さんがそう言っていたからやったのに』などと当事者がいないところで平気でうそをついたり、わかりやすいところでは、入社した時には『専門(学校)卒』と言っていたはずが、いつの間にか『短大卒』になり、最近では『四大を出てから○○の研究をしていた』と言ったりしていました」

 「最近はうそがどんどん悪化しているように感じます。みかねて私がひとこと注意したのが気にさわったのか…

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林公一

精神科医

はやし・きみかず 精神科医、医学博士。著書に「統合失調症という事実」「擬態うつ病/新型うつ病」「名作マンガで精神医学」「虚言癖、嘘つきは病気か」など。ウェブサイト「Dr.林のこころと脳の相談室」は、読者からの質問に林医師が事実を回答するもので、明るい事実・暗い事実・希望の持てる事実・希望の持てない事実を問わず、直截に回答するスタイルを、約20年にわたり継続中。