ER Dr.の救急よもやま話

アウトドアシーズンは要注意! 虫刺されの対応と予防

志賀隆・国際医療福祉大准教授/同大三田病院救急部長
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虫刺されかな…と思ったら?

 結論からいいますと、確率的にほとんどの虫刺されは軽症で、命に関わるような場合は極めてまれです。虫刺されそのものは非常によくあることなので、症状が激しくなければ自宅で手当てをして医療機関を受診する必要がないことがほとんどです。

 しかし、虫刺されによる症状が激しいため受診した場合に、医療機関ではどのようにアプローチをしているのでしょうか? まずは患者さんに「虫に刺された可能性」についてうかがいます。大抵の患者さんは虫に刺されたことを自覚していることが多いからです。次に、生じることが最も多い皮膚の症状についてうかがいます。刺されたときに麻酔薬の成分をもった虫の唾液が入ったり、刺された人が眠っていたりすることがあるため、症状に気付くのに時間がかかることもあります。そして、旅行などで衛生のよくない環境で過ごしたりした場合にはトコジラミ(南京虫)や寄生虫に暴露される可能性があるため旅行や環境面の質問をします。

 次に診察で、皮膚を観察します。刺された周囲の症状としては、かゆみ、痛み、赤み、圧痛(押したときの痛…

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志賀隆

国際医療福祉大准教授/同大三田病院救急部長

しが・たかし 1975年、埼玉県生まれ。2001年、千葉大学医学部卒業。学生時代より総合診療・救急を志し、米国メイヨー・クリニックでの救急研修を経てハーバード大学マサチューセッツ総合病院で指導医を務めた救急医療のスペシャリスト。東京ベイ・浦安市川医療センター救急科部長などを経て17年7月から国際医療福祉大学医学部救急医学講座准教授/同大学三田病院救急部長。安全な救急医療体制の構築、国際競争力を産み出す人材育成、ヘルスリテラシーの向上を重視し、日々活動している。「考えるER」(シービーアール、共著)、「実践 シミュレーション教育」(メディカルサイエンスインターナショナル、監修・共著)、「医師人生は初期研修で決まる!って知ってた?」(メディカルサイエンス)など、救急や医学教育関連の著書・論文多数。