医療プレミア特集

双極性障害「うつ」で突然本が読めなくなった!

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與那覇潤さん=東京都豊島区の南池袋公園で関眞砂子撮影
與那覇潤さん=東京都豊島区の南池袋公園で関眞砂子撮影

 「気分が高揚する躁(そう)状態」と、「気分が落ち込むうつ状態」を繰り返すとされる「双極性障害」。最近では歌手のマライア・キャリーさんが告白して注目されました。国内には数十万人の患者がいると見られます。論壇でも活躍した歴史学者・與那覇潤さん(38)も2014年に発症が分かり、入院を経て現在も薬による治療を続けています。自覚症状から受診、確定診断まで何があったのか。そして病気をどう受け入れたのか。交流のある筆者がインタビューしました。3回に分けてお届けします。【ライター・本多カツヒロ】

 --東京大学の大学院を5年半で修了され、20代の後半で地方公立大学の准教授に。研究者として脂が乗った状態だった與那覇さんが昨年、大学を辞めたと聞いて驚きました。いったい何があったのでしょうか。

 ◆與那覇潤さん 14年春から職場の近くのメンタルクリニックに通ってはいましたが、誰の目にも明確な「異常」が表れたのはその年の8月、東京の実家に帰省した時でした。突然、自分が書いた本を読んでも一切の意味がとれなくなり、猛烈な恐怖感がこみ上げて震えが止まらなくなった。自分でも何が起きたのかわかりませんでした。

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