実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

再考 梅毒が「急増している」本当の理由

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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 昨年(2017年)の8月から9月にかけて合計5回(番外編を含む)にわたり紹介した「梅毒」。多くの方に読まれたからなのか、公開後数人の報道関係者から取材を受けました。

 そのなかで何度も尋ねられ、最も印象に残っている質問が「梅毒は中国人旅行者が持ち込んだというのは本当か」というものです。なぜこのような質問が多かったのか。その質問をした報道関係者の一人は、東京都内のある区議会議員がそのような発言をしたと説明しました。

 中国人旅行者が日本で梅毒を広めたことを示すデータなどは存在せず、「そのようなことは言えない」というのが私の考えです。今回はその理由を述べますが、その前に昨年も述べた「本当は梅毒が急増しているわけではない」という私の考えを再度紹介しておきます。

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト