誰も言わない うつの本音

「形式的な働き方改革」が増やす“隠れサビ残”の憂鬱

西川敦子・フリーライター
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新入社員が過労自殺し労災認定された問題で電通本社に立ち入り調査に入る東京労働局の職員=東京都港区で2016年10月14日
新入社員が過労自殺し労災認定された問題で電通本社に立ち入り調査に入る東京労働局の職員=東京都港区で2016年10月14日

 働き方改革が進む一方で、目に見えない「サービス残業」の増加が心配されている。表面的には長時間労働が改善したように見えても、残業を申請できずに膨大な仕事を抱え、“心の体力”を使い果たす人たちは少なくない。労働問題に詳しい早稲田大学教育・総合科学学術院教授の黒田祥子さんに聞いた。

交渉力の低い人が「隠れ残業者」に

 「人手が足りないのでみんなサービス残業をしている。残業を申請しにくい空気があるから」「遅くまで居残っていると人事が早く帰れとうるさい。業務量は前と変わらないので自宅で続きの作業をしている」

 仕事の量も質も以前と変わらないにもかかわらず、おおっぴらに残業できなくなり、労働時間を管理されない…

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西川敦子

フリーライター

にしかわ・あつこ 1967年生まれ。鎌倉市出身。上智大学外国語学部卒業。釣り関連の編集プロダクション勤務、温泉仲居を経て、2001年から執筆活動。経済誌、新聞、人事関連雑誌などで、メンタルヘルスや家族問題、働き方をテーマに取材を続ける。著書に「ワーキングうつ」(ダイヤモンド社)など。