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推定患者数100万人の「てんかん」広がった治療選択肢

工藤千秋・くどうちあき脳神経外科クリニック院長

 「てんかん」というと、今でも意識を失って手足をばたばた痙攣(けいれん)させる奇妙な病気、というイメージを持つ人が多いようです。てんかんは脳の神経が異常興奮を起こす神経の病気ですが、この一般的なイメージのみでは説明ができないほど症状は多彩です。発症頻度は人口の1%弱といわれていますので、日本では100万人超の患者さんがいる推計になり、決して珍しい病気ではありません。

 一方、患者さん自身がてんかんであることに気づいていなかったり、高齢者では認知症と誤診されたりと「隠れてんかん」のケースが少なくないことを以前の記事「あなたの知らない『隠れてんかん』の症状」では紹介しました。

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くどうちあき脳神経外科クリニック院長

くどう・ちあき 1958年長野県下諏訪町生まれ。英国バーミンガム大学、労働福祉事業団東京労災病院脳神経外科、鹿児島市立病院脳疾患救命救急センターなどで脳神経外科を学ぶ。89年、東京労災病院脳神経外科に勤務。同科副部長を務める。01年、東京都大田区に「くどうちあき脳神経外科クリニック」を開院。脳神経外科専門医であるとともに、認知症、高次脳機能障害、パーキンソン病、痛みの治療に情熱を傾け、心に迫る医療を施すことを信条とする。 漢方薬処方にも精通し、日本アロマセラピー学会認定医でもある。著書に「エビデンスに基づく認知症 補完療法へのアプローチ」(ぱーそん書房)、「サプリが命を躍動させるとき あきらめない!その頭痛とかくれ貧血」(文芸社)、「脳神経外科医が教える病気にならない神経クリーニング」(サンマーク出版)など。