どうする健康格差社会

所得と教育レベルで決まってしまう「命の格差」

近藤克則・千葉大学予防医学センター教授
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 日本には「いのちの格差」がある。低所得の人、十分に教育を受ける機会を得られなかった人、非正規雇用の人など、社会的に困難を抱えた人たちはうつや認知症リスクなどの健康指標が悪く、死亡率が3倍も高い。そんな格差社会を是正したいと「健康格差社会への処方箋」(医学書院、2017年)という本を出した。

 寄せられる意見にはいろいろなものがある。「ここまでひどいとは。なんとかすべきだ」などに交じって、食生活の乱れや喫煙など、本人の努力で変えられることがあるのだから「健康は自己責任だ」という声も多い。ゴールド免許のように、努力している人の健康保険料を安くしようという提案もある。

 確かに一部には本人の責任もある。一方で、子どもや新入社員のように、自己責任とは言いがたいものも多い…

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近藤克則

千葉大学予防医学センター教授

1983年千葉大学医学部卒業。東大医学部付属病院リハビリテーション部医員、船橋二和(ふたわ)病院リハビリテーション科科長などを経て日本福祉大学教授を務め、2014年4月から千葉大学予防医学センター教授。2016年4月から国立長寿医療研究センター老年学評価研究部長。「健康格差社会ー何が心と健康を蝕むのか」(医学書院2005)で社会政策学会賞(奨励賞)を受賞。健康格差研究の国内第一人者。