ER Dr.の救急よもやま話

長い待ち時間は日本の病院が“がんばっている”証拠

志賀隆・国際医療福祉大医学部救急医学教授(同大病院救急医療部)
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病院の外来待合室
病院の外来待合室

 「なぜ日本の病院はこんなに患者を待たせて平気なのか?」という週刊誌記事で、大学病院の眼科を受診して待たされた著名な作家が「天罰が下るよ」と怒った話が紹介され、ネットやツイッター上で大きな話題になりました。「病院の待ち時間」について2回に分けてお伝えします。

 結論からいうと、私は「病院の待ち時間を減らすのは結構難しい」と考えています。なぜなら、日本の医療機関は諸外国と比べ、予約なしで当日外来を受診する患者さんを、その日のうちに診察しようと努力しているからです。

 特に、都心の大学病院には専門性の高い医師が多くいるので、その医師の外来当日に受診したいという患者さんが多く訪れます。米国や英国では「緊急性」がない限り、予約なしの患者さんが当日専門医の診察を受けることはまず困難です。

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志賀隆

国際医療福祉大医学部救急医学教授(同大病院救急医療部)

しが・たかし 1975年、埼玉県生まれ。2001年、千葉大学医学部卒業。学生時代より総合診療・救急を志し、米国メイヨー・クリニックでの救急研修を経てハーバード大学マサチューセッツ総合病院で指導医を務めた救急医療のスペシャリスト。東京ベイ・浦安市川医療センター救急科部長などを経て20年6月から国際医療福祉大学医学部救急医学教授(同大学病院救急医療部)。安全な救急医療体制の構築、国際競争力を産み出す人材育成、ヘルスリテラシーの向上を重視し、日々活動している。「考えるER」(シービーアール、共著)、「実践 シミュレーション教育」(メディカルサイエンスインターナショナル、監修・共著)、「医師人生は初期研修で決まる!って知ってた?」(メディカルサイエンス)など、救急や医学教育関連の著書・論文多数。