ER Dr.の救急よもやま話

日本の病院が予約制を徹底したらどうなる?

志賀隆・国際医療福祉大医学部救急医学教授(同大病院救急医療部)
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 前回、「病院の待ち時間を減らすのは結構難しい」と考えていることをお伝えしました。日本の医療機関は、予約なしで当日外来を受診する患者さんをその日のうちに診察しようと努力しているからです。では、予約制を徹底したらどうなるでしょうか。

 病院の待ち時間を短くするために効果的な対策は、(1)予約制を徹底する(2)予約外でかつ緊急性のない患者さんには翌日以降の受診をお願いする(3)外来に十分な医療従事者を配置する--であろうと考えます。

 しかし、(1)と(2)は結果的に、「患者さんへの当日対応」という日本の医療機関の努力を否定し、病院へのアクセスを遮断することにつながるので理解を得にくいと思います。またその結果、診断や治療の遅れが患者さんの不利益につながる心配もあります。

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志賀隆

国際医療福祉大医学部救急医学教授(同大病院救急医療部)

しが・たかし 1975年、埼玉県生まれ。2001年、千葉大学医学部卒業。学生時代より総合診療・救急を志し、米国メイヨー・クリニックでの救急研修を経てハーバード大学マサチューセッツ総合病院で指導医を務めた救急医療のスペシャリスト。東京ベイ・浦安市川医療センター救急科部長などを経て20年6月から国際医療福祉大学医学部救急医学教授(同大学病院救急医療部)。安全な救急医療体制の構築、国際競争力を産み出す人材育成、ヘルスリテラシーの向上を重視し、日々活動している。「考えるER」(シービーアール、共著)、「実践 シミュレーション教育」(メディカルサイエンスインターナショナル、監修・共著)、「医師人生は初期研修で決まる!って知ってた?」(メディカルサイエンス)など、救急や医学教育関連の著書・論文多数。