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便秘と下痢を繰り返す過敏性症候群に「桂枝加芍薬湯」

加藤士郎・野木病院副院長/筑波大学付属病院臨床教授
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繰り返す便秘と下痢に苦しんでいた50代女性が、再び快適な生活を送れるようになったきっかけは……
繰り返す便秘と下痢に苦しんでいた50代女性が、再び快適な生活を送れるようになったきっかけは……

 検査をしても異常がないのに、腹痛や下痢・便秘といった便通異常が慢性的に起こる過敏性腸症候群。急な下痢などで患者が抱える心身の負担は大きく、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。今回は、繰り返す便秘と下痢に苦しんできた女性(56)が、漢方薬「桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)」と生活習慣の改善で病気を克服したケースを紹介します。

 ご主人と二人で中華料理店を営むAさんは身長158cm、体重52kg。朝早くから夜遅くまでご主人と一緒に一生懸命働き、仕事と主婦業を活発にこなしていました。子供は大手飲食チェーン店に勤務する長女(28)と大学生の長男(20)がいます。52歳で閉経し、そのころからのぼせと下半身の冷えを感じるようになりました。

 50歳を過ぎたころから血圧が上昇し、降圧薬を飲むようになりましたが、健診で他に病気を指摘されることはありませんでした。たばこは吸わず、お酒も時々飲む程度で、体調は良好でした。しかし、54歳の誕生日を迎えた3カ月後あたりから、急におなかが痛くなってトイレに駆け込むことが時々起こるようになりました。

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加藤士郎

野木病院副院長/筑波大学付属病院臨床教授

かとう・しろう 1982年獨協医科大学卒後、同大第1内科(現心臓・血管内科)入局。88年、同大第1内科大学院卒。第1内科講師、宇都宮東病院副院長などを経て、09年野木病院副院長、筑波大学非常勤講師。同年、筑波大学付属病院総合診療科に漢方外来開設。10年筑波大学付属病院臨床教授。筑波大学付属病院で漢方外来に従事するととともに、主に学生、研修医を対象に漢方の教育活動を行っている。編著に「臨床力をアップする漢方ー西洋医学と東洋医学のW専門医が指南!」(中山書店)。医学博士、日本内科学会認定医、日本呼吸器学会専門医・指導医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本老年医学会専門医・指導医など。