あなたのおくすり手帳

「不安でストック」「飲み忘れ」残薬500億円の現実

高垣育・薬剤師ライター
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段ボール箱いっぱいに入った残薬(佐々木健さん提供)
段ボール箱いっぱいに入った残薬(佐々木健さん提供)

残薬をなくすために(前編)

 医師から処方された薬を飲み残して発生した「残薬」。日本薬剤師会が75歳以上の在宅医療を受けている患者を対象に行った調査(2007年度)によると、「飲み忘れた」「飲みづらくて飲み残していた」などの理由で生じた残薬の粗推計金額は年間約500億円に上ると報告されています。

 私が勤務する薬局にも「薬が変更になっていらなくなった。処分しておいて」と手つかずの薬の束を持ってくる方や、薬を渡すときに「昼食後の飲み忘れで薬が100錠以上たまっている」と、飲み残しが大量にあることを訴える方が多くいます。ただ、これらは患者さん自身が自己申告してくれるほんの一部の例です。実際に患者さんが薬を飲みながら生活する現場の残薬の実態は、私たちが想像する以上に大変なことになっています。

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高垣育

薬剤師ライター

たかがき・いく 1978年福岡県生まれ。2001年薬剤師免許を取得。調剤薬局、医療専門広告代理店などの勤務を経て、12年にフリーランスライターとして独立。毎週100人ほどの患者と対話する薬剤師とライターのパラレルキャリアを続けている。15年に愛犬のゴールデンレトリバーの介護体験をもとに書いた実用書「犬の介護に役立つ本」(山と渓谷社)を出版。人だけではなく動物の医療、介護、健康に関わる取材・ライティングも行い、さまざまな媒体に寄稿している。17年には国際中医専門員(国際中医師)の認定を受け、漢方への造詣も深い。