
残薬をなくすために(前編)
医師から処方された薬を飲み残して発生した「残薬」。日本薬剤師会が75歳以上の在宅医療を受けている患者を対象に行った調査(2007年度)によると、「飲み忘れた」「飲みづらくて飲み残していた」などの理由で生じた残薬の粗推計金額は年間約500億円に上ると報告されています。
私が勤務する薬局にも「薬が変更になっていらなくなった。処分しておいて」と手つかずの薬の束を持ってくる方や、薬を渡すときに「昼食後の飲み忘れで薬が100錠以上たまっている」と、飲み残しが大量にあることを訴える方が多くいます。ただ、これらは患者さん自身が自己申告してくれるほんの一部の例です。実際に患者さんが薬を飲みながら生活する現場の残薬の実態は、私たちが想像する以上に大変なことになっています。
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