どうする健康格差社会

要介護になりやすい街なりにくい街の違い

近藤克則・千葉大学予防医学センター教授
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海を見ながらウオーキングを楽しむ人たち
海を見ながらウオーキングを楽しむ人たち

 人は誰でも転ぶ。一度ならたまたまだが、二度あることは三度ある。何度も転倒した人は骨折したり、しなくても寝たきりになりやすく死亡率も高い。それが分かってきたので、予防に向けてどういう人が転びやすいのか研究されてきた。例えば筋力が低下した人、バランスの悪い人、歩くのが遅い人などである。

 心理面に着目すると、「また転ぶのではないか」と不安を持っている人は、外出を控え、やがて気持ちがふさぎ込み、うつ状態になる。うつ状態になると閉じこもり、ますます体力や筋力、バランスも低下し転倒しやすくなる。悪循環である。

 社会的な特徴に目を向けると、所得の低い人や教育を受けられなかった人、結婚していない人は転倒や骨折しやすかったりするから驚きである。そういう人ほど閉じこもりになりがちで、歩行量が少なく、うつも多くなるからだろう。

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近藤克則

千葉大学予防医学センター教授

1983年千葉大学医学部卒業。東大医学部付属病院リハビリテーション部医員、船橋二和(ふたわ)病院リハビリテーション科科長などを経て日本福祉大学教授を務め、2014年4月から千葉大学予防医学センター教授。2016年4月から国立長寿医療研究センター老年学評価研究部長。「健康格差社会ー何が心と健康を蝕むのか」(医学書院2005)で社会政策学会賞(奨励賞)を受賞。健康格差研究の国内第一人者。