健康をつくる栄養学のキホン

糖尿病の食事療法「カロリー制限」で栄養不足に?

成田崇信・管理栄養士
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 糖質制限食を、糖尿病の食事療法の一つとするかどうか、国内では議論が続いています。糖質制限食には、長期的な安全性や有効性などについて批判がありますが、実は、従来のエネルギー(カロリー)制限による糖尿病の食事療法にも大きな問題があります。今回は、その問題を詳しく解説したいと思います。

糖尿病の人の適切なエネルギー摂取量とは

 糖尿病の食事療法と言えば、エネルギーを制限したバランスのよい食事をイメージする人が多いでしょう。実際に肥満がある場合は、減量によって血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効きがよくなり、血糖値を適切な範囲に保つ「血糖コントロール」を改善するケースが多いことが知られています。

 ただ、厳しいエネルギー制限はつらいため、流行している「エネルギー制限はせずに糖質をとる量を減らす」…

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成田崇信

管理栄養士

なりた・たかのぶ 1975年東京生まれ。社会福祉法人で管理栄養士の仕事をするかたわら、主にブログ「とらねこ日誌」やSNSなどインターネット上で食と健康関連の情報を発信している。栄養学の妥当な知識に基づく食育書「新装版管理栄養士パパの親子の食育BOOK」(内外出版社)を執筆。共著に「各分野の専門家が伝える子どもを守るために知っておきたいこと」(メタモル出版)、監修として「子どもと野菜をなかよしにする図鑑 すごいぞ! やさいーズ」(オレンジページ)などに携わっている。