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「仕事と介護」で心身疲労50代女性を漢方薬が救う

加藤士郎・野木病院副院長/筑波大学付属病院臨床教授
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更年期世代は仕事も家庭も忙しい
更年期世代は仕事も家庭も忙しい

 女性ホルモンの一つ、エストロゲンの分泌量の減少により、閉経前後の多くの女性が悩まされる更年期症候群。女性にとって更年期は、体調変化だけでなく、職場で責任ある立場に就いていたり、家庭で親の介護に直面したりと、心身ともに負担が大きい時期とも重なります。そんな更年期女性の強い味方が漢方薬です。今回はストレスが多く、のぼせや冷えなどの更年期症状に悩む女性が、漢方薬服用で改善したケースを紹介します。

 Aさん(53)は生命保険会社の役員です。身長163cm、体重56kg、税理士の夫(58)と大学生の娘(20)の3人暮らし。日ごろから仕事は大変忙しいのですが、主婦業も頑張っており、家族旅行にも積極的に行くなど、家族の絆も大切にしていました。

 51歳の時に閉経し、それ以後更年期症候群によるのぼせと下半身の冷えが気になったため、かかりつけの産婦人科クリニックを受診。漢方薬の「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」を処方され、これによって症状は改善していました。52歳の誕生日を過ぎた頃から血圧が上昇してきたため、かかりつけの内科クリニックを受診し、処方された2種類の降圧薬を服用するようになりました。

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加藤士郎

野木病院副院長/筑波大学付属病院臨床教授

かとう・しろう 1982年獨協医科大学卒後、同大第1内科(現心臓・血管内科)入局。88年、同大第1内科大学院卒。第1内科講師、宇都宮東病院副院長などを経て、09年野木病院副院長、筑波大学非常勤講師。同年、筑波大学付属病院総合診療科に漢方外来開設。10年筑波大学付属病院臨床教授。筑波大学付属病院で漢方外来に従事するととともに、主に学生、研修医を対象に漢方の教育活動を行っている。編著に「臨床力をアップする漢方ー西洋医学と東洋医学のW専門医が指南!」(中山書店)。医学博士、日本内科学会認定医、日本呼吸器学会専門医・指導医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本老年医学会専門医・指導医など。