百年人生を生きる

孤独に苦しむ73歳男性を救った都心の居場所

星野哲・ライター/立教大学社会デザイン研究所研究員
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「キーベース」で使用済み切手の仕分けをする今宮眞幸さん(左から2人目)=筆者撮影
「キーベース」で使用済み切手の仕分けをする今宮眞幸さん(左から2人目)=筆者撮影

 老後の暮らしを想像したことがあるだろうか。すでに老後の生活を迎えている人は、若いころに想像していたような日々を過ごせているだろうか。いま、「人生100年時代」の到来がいわれている。100歳以上の人口は約7万人。老人福祉法が制定された1963年には153人しかいなかった100歳以上の高齢者は、81年に1000人、98年に1万人を超え、その後も急速に増え続けて2050年には53万人になると予測されている。国が17年に設置した「人生100年時代構想会議」がまとめた中間報告には、「ある海外の研究では、07年に日本で生まれた子どもの半数が107歳より長く生きると推計されており、日本は健康寿命が世界一の長寿社会を迎えています」と記されている。「人生100年」は絵空事ではない。

 1人暮らしの増加といった家族関係の変化もあり、私たちは一昔前の高齢者とはまったく異なる「長い」老後…

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星野哲

ライター/立教大学社会デザイン研究所研究員

ほしの・さとし 1962年生まれ。元朝日新聞記者。30年ほど前、墓や葬儀の変化に関心を持って以降、終活関連全般、特にライフエンディングについて取材、研究を続けている。2016年に独立。立教大学大学院、東京墨田看護専門学校で教えるほか、各地で講演活動も続ける。著書に「遺贈寄付 最期のお金の活かし方」(2018年、幻冬舎)「『定年後』はお寺が居場所」(同、集英社新書)「終活難民-あなたは誰に送ってもらえますか」(2014年、平凡社新書)ほか。