
私があるご家族から相談を受けたのは、講演会が終わってすぐのこと。70代と思われるご婦人が声をかけてきて、こう言いました。「息子が珍しい悪性腫瘍になり、もう治療法がないと言われた。できるだけ自宅にいたいのでその際は支援をしてほしい。しかし、今はまだ元気なので、在宅医療ではなく、私の外来で受診できないだろうか」という相談でした。
私のクリニックでは、朝から訪問診療に出かけるので、外来はごく限られた時間しか受けられません。そこで、私が大学病院で持っている外来に来てもらうことにしました。
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みその生活支援クリニック院長
おのざわ・しげる 1963年相模原市生まれ。90年東京慈恵会医科大学医学部卒業。在宅医療をライフワークにしようと、同年から亀田総合病院(千葉県鴨川市)に在籍し、99年同病院の地域医療支援部長に就任。22年間、同病院で在宅医療を中心に緩和医療や高齢者医療に携わってきた。2012年に北里大学病院患者支援センター部副部長を経て、13年に同トータルサポートセンター長に就任。同病院の入院患者に対して、退院から在宅医療へスムーズに移行できるよう支援してきた。16年相模原市内で在宅医療専門の「みその生活支援クリニック」を開設。亀田総合病院在宅医療部顧問。日本在宅医学会認定専門医。プライマリケア連合学会認定医、日本緩和医療学会暫定指導医。日本在宅医学会前理事。日本医療社会福祉協会理事。一般法人社団エンドライフケア協会理事。相模原町田医療介護圏インフラ整備コンソーシアム代表。
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