無難に生きる方法論

「妊婦も医師も両方応援」新しい制度を作れるか

石蔵文信・大阪大学招へい教授
  • 文字
  • 印刷

 妊婦の外来診察時に上乗せされる診療報酬の「妊婦加算」について、厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)が昨年12月19日、1月1日から加算を凍結することを了承した。

 妊婦加算は、2018年4月の診療報酬改定で新設された制度だ。胎児に悪い影響を与える医薬品を避けるなど、処方や診療に専門的な知識が必要だとして医療機関への報酬を加算するもので、妊婦は初診と再診で自己負担が増える。

 そもそも正常の妊娠や出産に関しては医療保険がきかない。原則は自費負担だが、それでは妊娠、出産に関してお金がかかりすぎるので、出産育児一時金(42万円)が健康保険から支給される。妊婦健診も原則、自由診療の自費で、金額は医療機関によって違う。

 妊産婦健診は出産までに10回前後あるので、その費用もばかにならない。国が費用の一部を負担しているが、その使途は自治体の裁量に任されているため、地域格差があることが問題になっている。

この記事は有料記事です。

残り1407文字(全文1817文字)

石蔵文信

大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。