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WHOも病気と認定「ゲーム障害」の深刻度

工藤千秋・くどうちあき脳神経外科クリニック院長
 
 

 インターネットの普及により、「ネット依存症」という言葉を聞くことは珍しくなくなりました。もっとも昨今、電車内で老若男女問わずスマートフォンいじりに興じているのを見ると、社会全体がネット依存の様相を呈しているかのようです。こうしたスマートフォンいじりをしている人の中には、ネットを介したオンラインゲームに熱中している人も少なくありません。そのような中で昨年、ちょっと驚くべきニュースがありました。健康に関する国連の専門機関である世界保健機関(WHO)が2018年6月に発表した国際疾病分類第11版(ICD-11)でゲームに過度に依存している状態を「ゲーム障害」と新たな病気として分類したことです。

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くどうちあき脳神経外科クリニック院長

くどう・ちあき 1958年長野県下諏訪町生まれ。英国バーミンガム大学、労働福祉事業団東京労災病院脳神経外科、鹿児島市立病院脳疾患救命救急センターなどで脳神経外科を学ぶ。89年、東京労災病院脳神経外科に勤務。同科副部長を務める。01年、東京都大田区に「くどうちあき脳神経外科クリニック」を開院。脳神経外科専門医であるとともに、認知症、高次脳機能障害、パーキンソン病、痛みの治療に情熱を傾け、心に迫る医療を施すことを信条とする。 漢方薬処方にも精通し、日本アロマセラピー学会認定医でもある。著書に「エビデンスに基づく認知症 補完療法へのアプローチ」(ぱーそん書房)、「サプリが命を躍動させるとき あきらめない!その頭痛とかくれ貧血」(文芸社)、「脳神経外科医が教える病気にならない神経クリーニング」(サンマーク出版)など。