どうする健康格差社会

認知症や糖尿病になりやすい街を「見える化」する

近藤克則・千葉大学予防医学センター教授
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ロボットのペッパーが血圧測定をお手伝い
ロボットのペッパーが血圧測定をお手伝い

 今では2兆円近い医療費が使われ、30歳以上では男性の6割、女性の45%が持っているのに、100年前には放置されていた病気がある。それは高血圧である。

 高血圧の恐ろしさを調べる本格的な追跡研究が始まったのは1940年代になってからのこと。100年前には、今のような血圧計がなかったからだ。

 以前、高齢者の転倒や認知症が多い「まち」があることを紹介した。高血圧や糖尿病が多いまちもある。これらが地域間の健康格差だ。「そんな話は聞いたことがない」という人もまだ多いだろう。血圧が測れなかった時代の高血圧と同じで、測定方法がなければ、話題に上らず問題にもされない。

 一方、こうした実態を「見える化」すれば、問題を発見し、関係者で共有し、要因を分析して対策を考え、そ…

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近藤克則

千葉大学予防医学センター教授

1983年千葉大学医学部卒業。東大医学部付属病院リハビリテーション部医員、船橋二和(ふたわ)病院リハビリテーション科科長などを経て日本福祉大学教授を務め、2014年4月から千葉大学予防医学センター教授。2016年4月から国立長寿医療研究センター老年学評価研究部長。「健康格差社会ー何が心と健康を蝕むのか」(医学書院2005)で社会政策学会賞(奨励賞)を受賞。健康格差研究の国内第一人者。