
本連載でも認知症についてはたびたび取り上げてきましたが、65歳以上の認知症患者は過去の厚生労働科学研究などから2020年時点で600万人超に達すると予想されています。現在の65歳以上の高齢者の推計人口は約3500万人ですから、実に高齢者の6人に1人が認知症という計算になります。
認知症は本人だけでなく、家族らが介護に時間を取られることなどから、医学的のみならず、社会的・経済的にも大きな影響を及ぼします。
しかし、現在、認知症に関しては治癒を期待できる特効薬は存在しません。既存の抗認知症薬は4種類ありますが、いずれも症状の進行速度を遅らせるもので、その効果も服用から1~2年で頭打ちというのが現状です。
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くどうちあき脳神経外科クリニック院長
くどう・ちあき 1958年長野県下諏訪町生まれ。英国バーミンガム大学、労働福祉事業団東京労災病院脳神経外科、鹿児島市立病院脳疾患救命救急センターなどで脳神経外科を学ぶ。89年、東京労災病院脳神経外科に勤務。同科副部長を務める。01年、東京都大田区に「くどうちあき脳神経外科クリニック」を開院。脳神経外科専門医であるとともに、認知症、高次脳機能障害、パーキンソン病、痛みの治療に情熱を傾け、心に迫る医療を施すことを信条とする。 漢方薬処方にも精通し、日本アロマセラピー学会認定医でもある。著書に「エビデンスに基づく認知症 補完療法へのアプローチ」(ぱーそん書房)、「サプリが命を躍動させるとき あきらめない!その頭痛とかくれ貧血」(文芸社)、「脳神経外科医が教える病気にならない神経クリーニング」(サンマーク出版)など。
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