
経済的格差が小さくなれば、うつ病が減るかもしれない――。国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)脳情報通信融合研究センターの研究マネジャー、春野雅彦さんが率いるグループが、不平等とうつ病との間に、脳科学的に見て強い関連があるという仮説を立て、研究を進めている。これまで統計的調査、研究で語られてきた不平等とうつ病の相関が、脳の活動変化から確認できるという。いったいどのような手法なのだろうか。
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脳科学は、広くは脳や脳の機能についての学問分野を指すが、この分野に含まれる学問は、電気生理学、神経…
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西川敦子
フリーライター
にしかわ・あつこ 1967年生まれ。鎌倉市出身。上智大学外国語学部卒業。釣り関連の編集プロダクション勤務、温泉仲居を経て、2001年から執筆活動。経済誌、新聞、人事関連雑誌などで、メンタルヘルスや家族問題、働き方をテーマに取材を続ける。著書に「ワーキングうつ」(ダイヤモンド社)など。