旅と病の歴史地図

「花粉症つらい」春休み海外旅行の対策は?

濱田篤郎・東京医科大学教授
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 花粉が飛ぶ季節になりました。日本では花粉症の患者さんが2000万人を超えています。このうちスギ花粉が原因の人が最も多くみられます。今月下旬には、福岡県などでスギ花粉が飛散のピークを迎えるとの情報も流れています。3月には春休みを利用して海外旅行に出かける人も多くなりますが、海外でも花粉症に悩まされるのでしょうか? 今回のコラムでは海外の花粉症事情について紹介します。

 欧米諸国では花粉症のことを枯草(こそう)熱(Hay fever)と呼びます。このような名前がついたのは、19世紀初頭、イギリスの牧場労働者の間で特殊な呼吸器疾患が多発したことに由来します。当時、夏から秋にかけて干し草(英語でhay)をサイロに収納した時に、鼻水、涙、せきなどの症状がみられたそうです。枯れた草に接した後に起きる病気という意味で、枯草熱と呼ばれるようになりました。

 その後、この病気の原因が、干し草に使われるカモガヤというイネ科植物の花粉であることが明らかになります。現在でも、ヨーロッパではカモガヤによる花粉症の患者が、夏から秋にかけて数多く発生しています。

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濱田篤郎

東京医科大学教授

はまだ・あつお 1981年、東京慈恵会医科大学卒業。84~86年に米国Case Western Reserve大学に留学し、熱帯感染症学と渡航医学を修得する。帰国後、東京慈恵会医科大学・熱帯医学教室講師を経て、2005年9月~10年3月は労働者健康福祉機構・海外勤務健康管理センター所長代理を務めた。10年7月から東京医科大学教授、東京医科大学病院渡航者医療センター部長に就任。海外勤務者や海外旅行者の診療にあたりながら、国や東京都などの感染症対策事業に携わる。11年8月~16年7月には日本渡航医学会理事長を務めた。著書に「旅と病の三千年史」(文春新書)、「世界一病気に狙われている日本人」(講談社+α新書)、「歴史を変えた旅と病」(講談社+α文庫)、「新疫病流行記」(バジリコ)、「海外健康生活Q&A」(経団連出版)など。19年3月まで「旅と病の歴史地図」を執筆した。