
デイサービスでお風呂を断るNさん
軽いアルツハイマー型認知症のNさん(80代女性)は、長女一家の隣の家で1人暮らしをしています。認知症以外に病気はなく、体も健康で、身の回りのことは自分なりにこなせていました。自宅に来客があるとお茶をいれたり、デイサービスでも他の利用者のコートをハンガーにかけてあげたりして、気づかいができる人でした。
ある時、Nさんの長女から「きちんとお風呂に入っているかどうかわからないので、デイサービスでお風呂に入れてもらえませんか」と施設に依頼がありました。ところが、デイサービスのスタッフがNさんをお風呂に誘っても、「わたしは家で入っていますから結構です」の一点張り、まったく入ってくれません。
この記事は有料記事です。
残り1492文字(全文1802文字)
投稿にはログインが必要です。
認知症ケアアドバイザー
ペ・ホス(裵鎬洙) 1973年生まれ、兵庫県在住。大学卒業後、訪問入浴サービスを手がける民間会社に入社。その後、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、訪問看護、訪問リハビリ、通所リハビリ、訪問介護、介護老人保健施設などで相談業務に従事。コミュニケーショントレーニングネットワーク(CTN)にて、コーチングやコミュニケーションの各種トレーニングに参加し、かかわる人の内面の「あり方」が、“人”や“場”に与える影響の大きさを実感。それらの経験を元に現在、「認知症ケアアドバイザー」「メンタルコーチ」「研修講師」として、介護に携わるさまざまな立場の人に、知識や技術だけでなく「あり方」の大切さの発見を促す研修やコーチングセッションを提供している。著書に「理由を探る認知症ケア 関わり方が180度変わる本」。介護福祉士、介護支援専門員、主任介護支援専門員。ミカタプラス代表。→→→個別の相談をご希望の方はこちら。
注目コンテンツ