実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

麻疹・風疹防ぐには「私生活公開」よりワクチンで

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
  • 文字
  • 印刷
 知られたくない恋もある
 知られたくない恋もある

 2016年夏をほうふつさせるような麻疹の流行が広がっています。日本は15年に世界保健機関(WHO)から「麻疹の排除状態」にあると認定され、今もその状態が覆されたわけではありませんが、16年には関西国際空港を発端に広範囲に感染が生じ、18年春には沖縄で集団感染が起こり、そして19年2月には大阪市で立て続けに感染者が報告されました。風疹もコンスタントに感染者が見つかっています。太融寺町谷口医院(以下「谷口医院」)では最近、皮疹(皮膚の発疹)を訴えて受診した2人が、風疹に感染していました。今回はその2人の事例や、麻疹の事例を振り返り、麻疹や風疹に対する行政の対応に問題がないかを考えてみたいと思います。

 まずは2人の感染者を紹介します(ただし本人が特定されないように若干の変更を加えています)。

この記事は有料記事です。

残り3315文字(全文3663文字)

谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト