
【Q】手がふるえて思うように字が書けず、会食の時にはしが持てません。医師に「本態性振戦(ほんたいせいしんせん)」と診断されましたが、どうなるか心配です。(千葉県、女性、78歳)
【A】症状が軽く、日常生活に支障が出ない場合は薬を服用するか、経過を観察します。日常生活の動作も難しくなった場合は、手術も含めいくつかの選択肢があります。神経内科の専門医に相談してみましょう。
本態性振戦は、自分の意思に反して手や足がふるえる病気です。脳から末端への神経回路に何らかの異常が起きていると考えられますが、詳しい原因は分かっていません。高齢になるほど増え、65歳以上の15%が発症しているとされています。「手がふるえて字がうまく書けない」「茶わんやコップを持つと手がふるえる」のが特徴です。パーキンソン病と違い、手を動かさない時はふるえず、手足のこわばりや歩行障害もありません。
症状が軽く、日常生活に支障が出ない場合は薬を服用するか、経過を観察します。公的保険で認められた薬は降圧剤のアロチノロールだけです。1日1回5ミリグラムから始め、効果が不十分だと増やしますが、血圧の低下には注意が必要です。この薬が効かなければ、公的保険適用外ながら、抗てんかん薬のクロナゼパムやプリミドンが有効な場合があります。
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