どうする健康格差社会

「ビッグデータと人工知能」は社会の健康を守れるか

近藤克則・千葉大学予防医学センター教授
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 人工知能(AI)への期待が高まっている。試しに「何かしゃべってみて」と話しかけると「それはできません」としゃべるAIもある。だから、期待しすぎは禁物だ。AIの可能性とその前提を考えてみた。

 今までの研究では、無数にありうる候補の中から、「○と△の間には□な関連がありそうだ」という仮説をまず立てて、それを確かめるためにデータを集め、仮説が正しいかどうかを検証してきた。一方、AIは生身の人間ならイヤになってしまうような膨大な計算や面倒な分析を、あきることなく繰り返しやってくれる。

 例えば、二つの項目間の関連の強さを調べる場合、100項目と100項目の総当たりだけでも1万通り、1万項目同士なら1億通りの組み合わせになる。仮説がなくても、そのすべての組み合わせを調べて、関連が強いものを見つけ出して教えてくれる。その結果、今まで人間が見落としていた意外な関連を「発見」してくれることもある。

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近藤克則

千葉大学予防医学センター教授

1983年千葉大学医学部卒業。東大医学部付属病院リハビリテーション部医員、船橋二和(ふたわ)病院リハビリテーション科科長などを経て日本福祉大学教授を務め、2014年4月から千葉大学予防医学センター教授。2016年4月から国立長寿医療研究センター老年学評価研究部長。「健康格差社会ー何が心と健康を蝕むのか」(医学書院2005)で社会政策学会賞(奨励賞)を受賞。健康格差研究の国内第一人者。