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副鼻腔炎で頭痛に苦しむ男性をスッキリさせた漢方薬

加藤士郎・野木病院副院長/筑波大学付属病院臨床教授
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 頰から額などの鼻の周りにある空洞「副鼻腔(ふくびくう)」という器官に炎症が起こり、うみがたまったり、粘膜が腫れたりする副鼻腔炎。鼻づまりやにおいが分からないなどの症状に加え、頭痛が起きたり、粘り気のある鼻水がのどに流れて(後鼻漏=こうびろう)せきが出たりすることがあります。今回は慢性化した副鼻腔炎により、頭痛だけでなく肩こりにも悩まされるようになった中年男性の症状が、ある漢方薬で改善したケースを紹介します。

 Aさん(54)は高校で数学を担当している教員です。身長176cm、体重70kg、絵画や音楽が趣味です。妻(48)、会社勤めの長女(26)、大学生の長男(21)がいます。高脂血症のため、食事療法と運動に励みながら薬を飲み、良好にコントロールされています。43歳の時に慢性副鼻腔炎と診断され、1年間耳鼻咽喉(いんこう)科に通院し、慢性の鼻閉(びへい=鼻づまり)、せき、たんを治療しました。しかし、その後も時々鼻閉になったり、せきやたんが出たりすることがあり、特に風邪をひくと症状が悪化したり、長引いたりして困ることもありました。

 52歳のころから鼻閉が慢性的に起こるようになり、だんだん肩もこるようになってしまいました。肩こりがひどくなってくると頭痛も起こるようになり、次第に日常生活にも支障をきたすようになりました。さらに鼻閉の症状も強くなってしまい、せきやたんがほぼ毎日出るようになり、すっかり困ってしまいました。

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加藤士郎

野木病院副院長/筑波大学付属病院臨床教授

かとう・しろう 1982年獨協医科大学卒後、同大第1内科(現心臓・血管内科)入局。88年、同大第1内科大学院卒。第1内科講師、宇都宮東病院副院長などを経て、09年野木病院副院長、筑波大学非常勤講師。同年、筑波大学付属病院総合診療科に漢方外来開設。10年筑波大学付属病院臨床教授。筑波大学付属病院で漢方外来に従事するととともに、主に学生、研修医を対象に漢方の教育活動を行っている。編著に「臨床力をアップする漢方ー西洋医学と東洋医学のW専門医が指南!」(中山書店)。医学博士、日本内科学会認定医、日本呼吸器学会専門医・指導医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本老年医学会専門医・指導医など。