どうする健康格差社会

「医療費と介護費」は予防でどこまで減らせるか

近藤克則・千葉大学予防医学センター教授
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スポーツや社会参加の割合が高い人ほど要介護度は低いというデータも
スポーツや社会参加の割合が高い人ほど要介護度は低いというデータも

 予防がうまくいって健康寿命が延びれば、医療費は減りそうだ。しかし、その答えは簡単ではない。

 予防に関する論文を599編も集めて約1500の予防法について検討した結果、費用抑制ができるのは2割弱にとどまったという。医療費が短期的には減っても、生涯では増えることすらある。寿命が延びた期間の血圧の薬や健診で見つかった異常を精密検査する費用は増える。別の病気で医療費がかかる時期を先延ばしするだけかもしれない。

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近藤克則

千葉大学予防医学センター教授

1983年千葉大学医学部卒業。東大医学部付属病院リハビリテーション部医員、船橋二和(ふたわ)病院リハビリテーション科科長などを経て日本福祉大学教授を務め、2014年4月から千葉大学予防医学センター教授。2016年4月から国立長寿医療研究センター老年学評価研究部長。「健康格差社会ー何が心と健康を蝕むのか」(医学書院2005)で社会政策学会賞(奨励賞)を受賞。健康格差研究の国内第一人者。