“子ども食堂”の時代―親と子のSOS―

保育園にも幼稚園にも行けない子どもと親の深い事情

可知悠子・北里大学講師
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 日本では、幼児の多くが保育園や幼稚園に通っています。就園児は3歳以上で全体の9割を超えます。しかし、就園は義務ではないため、一部に保育園や幼稚園に通っていない子どもがいます。国の2017年度の推計によると、全国で保育園や幼稚園に通っていない「未就園児」の割合は3歳児8.9%(9万人)▽4歳児2.7%(2.8万人)▽5歳児1.9%(2万人)――でした。では、どのような家庭の子どもが未就園なのでしょうか? 日本の過去の研究を探しましたが、未就園の理由を調べた調査は見当たりません。また、保育の有識者や自治体の担当者に尋ねても明確な答えは返ってきません。保育園や幼稚園以外の養育手段をあえて選び、子どもに適切な養育環境を提供できているならよいのですが、幼児教育が必要なのに情報不足で必要性を感じていない家庭や、必要性を感じていても事情で通わせられない家庭があるとしたら支援が必要ではないでしょうか。そこで仲間とともに研究を始めてみると、やはり、さまざまな“障壁”から就園の選択すらできない家庭がある可能性が見えてきました。

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可知悠子

北里大学講師

かち・ゆうこ 東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。2006年から10年間、臨床心理士として子どもや女性のカウンセリングにあたる。帝京大学医学部衛生学公衆衛生学講座助教、日本医科大学衛生学公衆衛生学教室助教を経て、18年4月から北里大学医学部公衆衛生学単位講師。東京大学大学院医学系研究科公衆衛生学教室客員研究員、国立成育医療研究センター社会医学研究部共同研究員、首都大学東京客員准教授。共著に「子どもの貧困と食格差~お腹いっぱい食べさせたい」(大月書店)。自身も3歳児の子育て中。労働者とその子どもの健康の社会格差をテーマに研究を行っている。