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猫好きに衝撃!?「飼育女性の肺がん死亡率2.85倍」

石蔵文信・大阪大学招へい教授
 
 

 一般社団法人ペットフード協会の「ペット数に関する調査」(2018年)によると、国内で飼われている猫は約965万匹、犬は890万匹。1994年の調査開始以来、17年に初めて猫が犬を上回ったという。

 犬は散歩が面倒なうえに、フード代など費用が多くかかることが逆転の理由だそうだ。寿命は猫の方がやや長いが、現代は犬も猫も大体15年ぐらい生きる。30年前と比べるとおよそ2倍長生きで、生涯の平均飼育費用は猫112.2万円、犬179.3万円かかるという。狭い住宅事情と高齢化も手伝い、猫が好まれる傾向はますます強まっているようだ。

 エサやりやトイレ処理の責任感から規則正しい生活習慣が身に付くため、ペットとの暮らしが飼い主を元気にする可能性も指摘されている。ペットを飼うことは人に多くの恩恵をもたらすのは間違いない。一方、自分の寿命とペットの幸せを考え、ある年齢でペットを飼うことを断念する高齢者も増えている。

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大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。