ボストン発 ウェルエイジング実践術

米高校生を誘惑する「電子たばこ」に危険性の指摘続々

大西睦子・内科医
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 米国では、電子たばこを吸うことを俗に「ジューリング(Juuling)」とも呼びます。ジュール(Juul)は、ある電子たばこのブランド名で、それが「吸うこと」も意味するようになっているのです。ジューリングを知らない大人はたくさんいますが、若者の間では爆発的に流行しています。その一方で、電子たばこについてはここ数年で、危険性の指摘が次々と出ています。今年5月には米連邦裁判所が、米食品医薬品局に対し、電子たばこへの規制強化を促す判決を出しました。

 米国の「電子たばこ」は、ニコチンや香料などを含んだ溶液を専用の器具で加熱し、放出されるエアロゾル(蒸気)を吸い込むものです。米政府の疾病対策センター(CDC)が行っている「全米青少年たばこ調査」によると、2018年には米国の高校生の20.8%が電子たばこを使用し、前年(11.7%)に比べて倍近くに増えました。

 米国では各州の法律により規制が異なり、電子たばこは18〜21歳以上を対象に売られています(インターネット販売では18歳未満でも購入できてしまいますが)。つまり高校生の大半には禁止なのですが、それでも現実はこの人気です。

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大西睦子

内科医

おおにし・むつこ 内科医師、米国ボストン在住、医学博士。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部付属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。08年4月から13年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度授与。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に、「カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側」(ダイヤモンド社)、「『カロリーゼロ』はかえって太る!」(講談社+α新書)、「健康でいたければ『それ』は食べるな」(朝日新聞出版)。