実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

HIV感染者の内定取り消しで問う「医療者の姿勢」

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
  • 文字
  • 印刷
札幌地裁で行われた模擬裁判=2008年
札幌地裁で行われた模擬裁判=2008年

エイズという病を知っていますか?【18】

 HIV陽性の看護師が勤務先の病院を解雇され法廷に訴え、病院側が敗訴した事件(福岡HIV陽性看護師解雇事件)については過去のコラム(「HIV陽性の医療者は勤務できるか」で紹介しました。HIV陽性の医療者がきちんと投薬を受けている場合、他人に感染させる確率は事実上ゼロであり、勤務の妨げになることはありません。ところが、昨夏から札幌で、信じがたいほどばかばかしい裁判がおこなわれており、今年6月にも一部のメディアが経過を報道しました。我々医療者からすると「あきれて物が言えない」というレベルの裁判です。

この記事は有料記事です。

残り2924文字(全文3194文字)

   

ご登録日から1カ月間は100円

いますぐ登録して続きを読む

または

登録済みの方はこちら

谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト