ER Dr.の救急よもやま話

熱中症の予防には「持病の薬にも気をつけて」

志賀隆・国際医療福祉大医学部救急医学教授(同大病院救急医療部)
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強い日差しで「逃げ水」現象が見られる中、横断歩道を渡る人たち=京都市東山区で2018年
強い日差しで「逃げ水」現象が見られる中、横断歩道を渡る人たち=京都市東山区で2018年

 梅雨も明けて日差しが強くなりました。気温が高い日本の7月、8月は、熱中症のシーズンです。熱中症は、炎天下の屋外でスポーツや仕事をしている人がなる場合のほかに、室内で静かに過ごしている方がなる場合もあります。どんな方がなりやすいのか。ならないために気をつけるべきことは何か。そしてもし、自分や他人が「熱中症かな」と思ったらどうすればよいのか。今回はこうしたことをお話しします。

 真夏のある日、気温が35℃に上昇しました。65歳の女性、佐藤さんは、路上で動けなくなりました。通行人の方が119番して、佐藤さんは救急外来に運ばれました。「歩いていたら気持ちが悪くなってしまったんです。力も入らなくなってしまい、その場で座り込んでしまって困っていたら、親切な方が救急車を呼んでくださいました」。夏の日の外出であったため、佐藤さんは時間を短く限って、水分を補給しながら出かけたそうです…

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志賀隆

国際医療福祉大医学部救急医学教授(同大病院救急医療部)

しが・たかし 1975年、埼玉県生まれ。2001年、千葉大学医学部卒業。学生時代より総合診療・救急を志し、米国メイヨー・クリニックでの救急研修を経てハーバード大学マサチューセッツ総合病院で指導医を務めた救急医療のスペシャリスト。東京ベイ・浦安市川医療センター救急科部長などを経て20年6月から国際医療福祉大学医学部救急医学教授(同大学病院救急医療部)。安全な救急医療体制の構築、国際競争力を産み出す人材育成、ヘルスリテラシーの向上を重視し、日々活動している。「考えるER」(シービーアール、共著)、「実践 シミュレーション教育」(メディカルサイエンスインターナショナル、監修・共著)、「医師人生は初期研修で決まる!って知ってた?」(メディカルサイエンス)など、救急や医学教育関連の著書・論文多数。