百年人生を生きる

まだ復活できる!高齢者の「かむ力、のみ込む力」

星野哲・ライター/立教大学社会デザイン研究所研究員
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訪問診療で入れ歯の調整などをする五島朋幸さん=東京都渋谷区で、筆者撮影
訪問診療で入れ歯の調整などをする五島朋幸さん=東京都渋谷区で、筆者撮影

 口の力の衰えは全身の衰えの前兆かもしれない――。前回、加齢で口の力が衰え、かむ力やのみ込む力が落ちてしまう状態「オーラルフレイル」を紹介した。予防や対策が重要なのは言うまでもないが、加齢による衰えは根本的には止めることはできない。自分の力でどうにもならない時はどうしたらいいのだろうか? まず「専門家の力を借りる」という選択肢がある。「最後まで口から食べたい」という希望をかなえてもらうために、歯科医師や言語聴覚士、看護師ら専門家と地域が一体となって進める、東京都新宿区での支援活動を紹介する。

 今年3月、東京都新宿区で、地域イベント「第1回タベマチ祭り」が開かれた。主催した「新宿食支援研究会(新食研)」によると、イベントには子どもから高齢者まで約200人が参加。高齢者は、かんだりのみ込んだりしやすいように開発された食事を試食したり、口の機能や薬の飲み方など、身近な医療について学ぶ講習会に参加したりした。会場には、子ども食堂や餅つきも催され、子どもと大人が一緒に食事を楽しんだという。

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星野哲

ライター/立教大学社会デザイン研究所研究員

ほしの・さとし 1962年生まれ。元朝日新聞記者。30年ほど前、墓や葬儀の変化に関心を持って以降、終活関連全般、特にライフエンディングについて取材、研究を続けている。2016年に独立。立教大学大学院、東京墨田看護専門学校で教えるほか、各地で講演活動も続ける。「つながり」について考えるウエブサイト「集活ラボ」の企画・運営も手がける。著書に『人生を輝かせるお金の使い方 遺贈寄付という選択』(日本法令)、「『定年後』はお寺が居場所」(同、集英社新書)「終活難民-あなたは誰に送ってもらえますか」(2014年、平凡社新書)ほか。