理由を探る認知症ケア

「帰る!」と怒り出すSさんが本当に見ていたもの

ペホス・認知症ケア・コミュニケーション講師
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Sさんはなぜ早く帰りたがるのか?

 元技術者のSさん(89歳)は妻に先立たれて以降、長男の家族と暮らしていました。アルツハイマー型認知症があるものの、身の回りのことはだいたい自分でできます。長男やその妻が「今日は病院だよ」「晩ご飯ができたよ」「お薬飲んだ?」と、その都度予定を伝えたり、確認の声をかけたりすることで、自宅で穏やかに過ごせていました。

 高齢になって長男宅に移ってきたため、隣近所に知り合いはいません。長男家族は、父親にデイサービスに通…

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ペホス

認知症ケア・コミュニケーション講師

ペ・ホス(裵鎬洙) 1973年生まれ、兵庫県在住。大学卒業後、訪問入浴サービスを手がける民間会社に入社。その後、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、訪問看護、訪問リハビリ、通所リハビリ、訪問介護、介護老人保健施設などで相談業務に従事。コミュニケーショントレーニングネットワーク(CTN)にて、コーチングやコミュニケーションの各種トレーニングに参加し、かかわる人の内面の「あり方」が、“人”や“場”に与える影響の大きさを実感。それらの経験を元に現在、「認知症ケア・コミュニケーション講師」「認知症ケア・スーパーバイザー」として、介護に携わるさまざまな立場の人に、知識や技術だけでなく「あり方」の大切さの発見を促す研修やコーチングセッションを提供している。著書に「理由を探る認知症ケア 関わり方が180度変わる本」。介護福祉士、介護支援専門員、主任介護支援専門員。アプロクリエイト代表。