いきいき女性の健康ノート

「夕方の違和感や尿漏れ」女性を悩ます骨盤臓器脱

福島安紀・医療ライター
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 夕方になると股に何かが挟まっているような違和感がある、膣(ちつ)の辺りにピンポン玉のようなものがある、尿の出が悪くトイレに行ってもすっきりしない――。このような症状に心当たりがある女性は、子宮や膀胱(ぼうこう)、直腸などが膣から飛び出す骨盤臓器脱かもしれない。女性の5割、出産経験のある女性の約4割がなるといわれる骨盤臓器脱にはどんな治療法があるのか。日本医科大学付属病院女性診療科・産科教授の明楽重夫さんが解説する。

 61歳の主婦、陽子さん(仮名)は、10年くらい前から、股に何かが挟まっているような異物感を感じるようになった。お風呂で触ってみると何か丸いものがあったが、恥ずかしくて人に言えず、放置したという。1~2年前から、しょっちゅう尿意を感じてトイレへ行くようになり、最近は、間に合わずに漏らしてしまうこともある。「漏らすかも」と思うと、趣味のフラダンスにも行けなくなった。子宮がん検診で産婦人科へ行ったときに、思い切って医師に相談したところ、「骨盤臓器脱」と診断された。

 骨盤臓器脱は、骨盤の中にある子宮、膀胱、直腸などが、加齢や出産の影響で徐々に下がり、膣から体外へ出てしまう症状だ。40歳以上の女性に多い。子宮を支えている組織が緩み、子宮が膣の中に入ったようになって外へ出る「子宮脱」、膣の前側の壁が膀胱と一緒に下がる「膀胱瘤(りゅう)」、膣の後ろ側の壁が直腸と一緒に下がる「直腸瘤」などがあり、性器脱と呼ばれることもある。陽子さんの場合は、子宮脱と膀胱瘤を併発して…

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福島安紀

医療ライター

ふくしま・あき 1967年生まれ。90年立教大学法学部卒。医療系出版社、サンデー毎日専属記者を経てフリーランスに。医療・介護問題を中心に取材・執筆活動を行う。社会福祉士。著書に「がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差」(中央公論新社、共著)、「病院がまるごとやさしくわかる本」(秀和システム)など。興味のあるテーマは、がん医療、当事者活動、医療費、認知症、心臓病、脳疾患。